ゲーム依存症だった頃の息子。
その間、いいことはひとっつもなかった
ひとつだけあったいいこと
不登校、ゲーム依存症だった頃、
実はひとつだけ、いいことがあった。
友達ができたのだ。
フォートナイトのボイチャ機能
不登校ながら、ゲームをしている間だけ、
慢性的な頭痛から解放されるという息子は、
当時、オンラインでフォートナイトに熱中だった。
オンライン通信を使うと、
現実社会で知らない人とアットランダムに対戦できる
ボイチャという機能を使えば、
知らない者同士、
話ながらプレイできる
得体の知れないその仕組みに、
親として当初は嫌悪感しかなかった。
知らない人とつながる!?
ゲームで?!
インターネットの闇を伝える
子供のふりをして、近づいてくる大人かもしれない
女の子のふりして、実はおっさんかもしれない
と思う。
それは確かだ。
確かである一方、
残念ながら、不完全な子供に付け入る大人が起こす事件も多々ある。
性善説だけではないこと、
私たちの想像以上のことが巻き起こる可能性があることを
とくとくと説いた。
そこまで思うなら、
オンライン通信を禁止したらよいのでは
とも思うが、
極力、当時の息子に制限をかけたくなかった。
ストレスを可能な限り、
取り除くこと。
それが肝要だと思っていた。
あれもダメ、これもダメ、
こうじゃなきゃダメ。
息子にはそれまで、
そういう風に制限をかけて接してきた。
それが頭痛の原因とは断定はできないが、
可能性がある原因は、
取り除きたい。
とういう風に考えていた。
オンラインゲームをするためのルール
誰も信用しない
このふたつをルールにした。
だいたいの対戦相手は、
その場限りの相手だったけど、
同じ時間帯にプレイをすると、
そのうち、2〜3人の常連さんができてくる。
慣れてくると
プレイでは性格もある程度わかる。
不登校の友達ができた
仲間として同じチームでプレイすると、
やられた時に、自分の危険を顧みず、
助けに来てくれたり、
足りない武器をくれたり。
よく男女が恋仲になったりすると
記事で読んだことがあるけど
こういうことかと思う。
助けてくれたりすると、頼もしく感じるわけ。
そういう風にプレイしていたら、
常連さんのうちのひとりと息子は友達になった。
同じ境遇の不登校の子供だった。
平日の昼間、
普通は学校にいる時間帯にプレイしているから
何か訳ありとは思っていた。
不登校告白
そのうち、
その子が普通に
「俺、不登校なんだ」
とボイチャで話しかけてきた。
息子は約束通り、
こちらの情報は明かさなかった。
その子は、こちらのことは詮索せず、
自分のことを話し始めた。
息子より、ふたつばかり年上のその子は
私たちとは別の県で生活していて、
言葉に独特のイントネーションがあった。
明るい普通の男の子で、
話す様子から、
クラスにいたら人気者になりそうな、そんな雰囲気の子供らしい子供さんだった。
不登校友との絆
「おまえ、学校行けよーー」
息子も
「おまえもなー」と言って
二人して笑いあっていた。
その子の住む⚪️⚪️県ってどんなところなのかなぁ。
と息子がいうので
ネットでその子の住む県について調べた。
特産品や有名な施設なんかを調べて、
いつか行ってみたいねって、息子と話した。
学校に行けなくなって、
気持ちが内に内に向いていた息子だったけど、
この時、知らない友達について知りたくなって、
一瞬外に気持ちが向いたのがわかった。
そのうち、
その子はいつも通りにゲームをしなくなってきた。
別に、この時間にやろうと約束しているわけではないから、
仕方ない。
その子ができる時には一緒にフォートナイトで遊んだ。
不登校友との最後の会話
ある時、久しぶりに一緒になって遊んでいた時、
その子がこういった。
息子は
それから、ぱったり
その子は姿を現さなくなった。
復学したんだね。
よかった!
息子はその子のことはその後話さず、
普通に過ごしてははいたが、内心は寂しかったにちがいない。
インターネットの光を知る
私たちが子供の時になかったインターネットの世界。
得体知れないものだから、とかく身構えてしまうのは致し方ない。
現に、SNS関連の事件が世界中至るところで起こっているのだから。
だけど・・・
今回のことで、
インターネットの全てが悪いわけじゃないんだと
わかった。
少なくとも、
他県に住む不登校だった友達も、
息子もネットを介して、心が通じていたし、お互いの存在をもって安心感を得ていた。
もしかしたら、
インターネットって、
人々の気持ちをつなぐ大きな存在なのかもしれない。
息子もこの経験で何かを感じたはず。
あの子が今も、そしてずっと幸せでありますように。
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